パリ10区にある和食レストラン、じんちゃん食堂のリノベーションが完了しました。
食材やお酒、器から茶葉まで厳選したものを日本から空輸し提供しているこだわりの強いレストランの内装を考えるにあたり、食事をする空間も日本を感じる事が出来るようなテーマ性をもったデザインをすることになりました。
お店のメニューやスタイルにも合う日本の食事の空間をスタディした結果、昭和レトロの雰囲気を内装に取り入れ、来店するお客様に小旅行をしている気分になってもらえるようなお店作りをする方針となりました。
昭和レトロを表現する為の小物や提灯は日本から取り寄せ、レトロな扇風機や家具は現地で選び、トイレの前に設置してある電飾は現地で製作してもらいました。
手前の客席には古材を用いた壁に古いポスターやすだれ、木札を設置し、奥の客室には左官風の壁にマグロとからかつ丼の壁画をフランスのアーティスト Paihemeに描いてもらいました。
照明計画に関しては基本的に天井の提灯で室内全体を照らしていて、雰囲気作りの為に壁に間接照明を設置しています。提灯の色は食事が美味しそうに見える白をメインに使用しています。
客室の奥にあるトイレは銭湯風の壁画を日本人のアーティスト ヤマダレオさんに描いてもらい、客室の雰囲気とは異なる日本の銭湯をイメージした空間を作りました。
ファサードには日本で製作してもらったのれんと木の看板を掛け、テラス席の為に日本の伝統的な模様を印刷した日よけを設置しました。
また、コロナの影響が出始めた時期だったこともあり、店内での食事、お持ち帰り、Uber Eatsの配達の3つに対応出来るお店作りをする事を目標にしました。その為、ファサードには小窓を設けてお持ち帰りのお客様とUber Eatsの配達員に対応出来るようにし、この小窓に取り付く形で店内にサービスカウンターを設置し、箱詰めやお会計が出来るようにしました。
物件名 | じんちゃん食堂 |
画所 | パリ12区 |
用途 | 日本食レストラン |
床面積 | 50m² |
施主 | 飲食店経営者 |
パース 1: ファサード
パース 2: 客席1
パース 3: 客席2
パース 4: トイレ
竣工写真
Photos: @Yosuke Kojima (©Kojima)